富山県は女性就業率が全国トップクラスで、共働きが多いのは有名ですよね。
そして大学へ進学する女性は多いです。
自分のキャリアや、働く上でやりがいを大事にしながら生きていきたいと考える女性も増えているのではないでしょうか。
果たして、女性が自己実現できるような魅力ある労働市場が富山県にどれぐらいあるのでしょうか。
自分が行きたいと思う場所、職場、働き方にどれぐらいの女性が出会ているのか気になりますよね。
そこで富山の女性の就業に関わることについて調べてみました。
この記事では富山就業の現実をさまざまな角度から紹介していきたいと思います!
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富山県内の新卒採用における男性と女性の採用人数の格差。優良企業と思われる4社を検証!
そもそも 新卒採用では、男性と女性の採用人数に大きな偏りがあります。
そこで、まずは富山県の主要企業と思われる男女採用比率を調べてました。結果、下記のようになりました。
新卒の採用時点ですでに採用人数において男女での格差が生まれているのがわかります。
筆者の就職活動時も、男女で採用人数に随分大きな差がありました。合同企業説明会では、「女性は採用の予定はありません」と何社にも言われたものでした。
さすがに当時と比較すると、少しは女性の採用人数が多くなったので、これでも良くなっているようです。
このような状況で、富山県の女性たちがどこに就職しているのかは気になるところですね。
恐らく、大学進学時から就職時にかけて、多くの女性が首都圏へ転出し、そのまま富山には帰ってきていないのではないでしょうか。
富山県従業員3000人以上の企業の女性活躍推進は?
トナミ運輸株式会社
女性労働者の割合、管理職に占める女性労働者の割合を見ても、やはり、運輸業とういうことで、少ないようです。
業界全体で女性ドライバー、そして女性の管理職を増やしていくためには、まだまだ時間がかかるということでしょうか。
アルビス株式会社
そもそも、従業員数が多いのですが、パートの占める比率が高いです。女性の育児休暇取得率は社員でもパートでも100%と高いです。
株式会社インテック
女性の総合職割合は3割となっています。採用競争率は男女ともに高いですが、男性より女性の方が23.4倍と高いです。係長級は18.4%、管理職になると9.8%となり、減り、役員に占める女性の割合は0%となっています。
従業員数が多い会社も女性推進はまだまだのようです。
富山県でフレックスタイム制度や在宅勤務を採用している企業9社
続いて、富山県内におけるフレックスや時短を採用している企業について調べたところ下記の通りになりました。
働き方改革が叫ばれるなか、フレックスタイムや在宅勤務、時短勤務は注目されています。制度自体は以前からあります。
しかし実際に富山県内において導入する企業はまだまだ少ないのが現状です。
女性の雇用を増やし、柔軟な勤務形態を実現する観点からも、今後積極的に導入してほしいものですね。
富山県の金融業における女性の管理職率は?
次に、富山県内の金融業の係長職、女性管理職率、採用女性率、労働者に占める女性の割合などについても調べてみました。金融業というと男性が総合職で、女子が一般職に分かれているイメージが強いです。実際のところどうなっているのでしょうか。
富山第一銀行
北陸銀行
係長の割合より管理職の割合が減り、役員は両社とも0%となっています。採用の男女別競争倍率を見てみると、女性の方の倍率が高いのがわかりますね。
全国的に金融業は、一般職の方は途中で退社するケースが多い印象があります。
最近は育休・産休の考え方も一般的になってきたこと、夫婦共働きが当たり前になってきたことなどから、一般職でも産休後に働き続ける方は増えているようです。
銀行の総合職はほぼ男性が占めています。現在の40代~50代の総合職の女性の数は少なく、30代の女性総合職は少し多くなり、20代になると3割~4割くらいは女性の会社が多いようです。
富山で男女対等で働くことができるって公務員!?
強いて言うなら、富山で男女対等で働くことができるというと公務員なのではないかと思います。
富山の民間企業は昇級も待遇も男性優位であることが否めませんが、公務員の場合は収入面も仕事に対する評価も性別で差がつくということはないのではないでしょうか。
富山の公務員と民間企業の男女における年収比較
そこで、公務員と民間企業の男女における年収比較してみました。
下記は大卒・都道府県庁職員(行政職)の年収で、男性・女性を比較したものです。
収入の面でも安定した給料がもらえ、民間企業と違って女性が男性と同じ収入を得ることができます。
男女の年収の差があまりないのがわかりますね。
日本の給与所得者の平均年収の男女比
次に日本の給与所得者の平均年収の男女比に関しても気になったので調べてみました!
さらに富山の給与所得者の平均年収の男女比がこちらになります。
公務員と比べて民間企業においては男女の間で年収の差が大きいのがわかりますね。
また、民間企業は日本全体の平均より富山の男性の年収が低く、逆に富山の女性は日本全体の平均より多いこともわかりました。
生涯年収ベースで見ると、公務員は男性を100とした場合に女性97〜98で、民間の男性100、女性73〜81で、公務員は民間に比べ生涯年収格差は小さいことがわかります。
富山県の女性の転出状況
続いて、下記は女性の転出状況になります。
参照:富山県サイトより
15~34歳の男性より若い女性の方が県外流出に歯止めがかかっていないのがわかります。
女性にとって魅力ある職場が地方には少ないことと関係していると思われます。
やはり予想した通り、大学進学時から就職時にかけて、多くの女性が首都圏へ転出し、そのまま富山には帰ってきていないのしょう。
関連記事⇒仕事にやりがいを求める地方在住の女性は起業するべき。起業セミナーに参加して思ったこと。
富山県での女性の働く実情
政府による女性活躍推進の下、富山県内においても少しずつですが女性活躍に取り組む企業も増えています。
育休を取得したり、有給が取りやすくなったり、子育てをしながら、働きやすい企業もずいぶん増えました。
確かに、以前より子育てをしながら働きやすくなっているのは事実ですよね。それも企業により格差はあると思います。
一方でキャリアにおいては、未だ男性中心のキャリアが根強い業界は多く、女性活躍の課題が多いのが現実だと思います。
『男性がこうあるべき、女性はこうあるべき』といった雇用者側や企業の上層部の無意識の固定観念で、性別で役割を分担しているのが現実です。
そして、管理職の女性比率は低く、昇給のスピードにも男女差があります。ジェンダーの問題にかかわるのですが、職場で過ごす多くの人が、そもそも無意識の偏見に気づいていないことが原因の一つだと思います。
富山で女性が自己実現できる魅力的な就職先は少ない
私自身、長年、会社員として企業に勤めてきました。周囲を見渡してみても、正直なことろ、富山での働き方の面においては、選択肢が少ない印象を受けています。
それに比べ、都心部では自らのスキルを身に着けたり、それを発揮できる多様な働き方があります。そのため若い女性が都会に集まる傾向がずっと続いています。
女子は優秀であるからと言って就職活動の結果はそれに連動していません。なぜなら、いまだに女性の総合職への枠は、狭き門であり、地方であるほど、就職の選択肢は多くはありません。
わかりやすい例えで言うと、銀行や保険会社では、転勤がなく、仕事が続けやすい地域や職務が限定されるエリア職や一般職に流れる女子学生が多いのが現実です。
富山県の経済分野におけるジェンダーギャップ指数について
ここで富山県の経済分野におけるジェンダーギャップ指数について下記の通り調べてみました。
ジェンダーギャップ指数とは男女格差を数値化したものです。
富山県の多くの女性が働いているにもかかわらず、社長や、企業、法人の役員管理職の数が少ないことがわかりますね。
女性の活躍はまだまだ難しいのではないでしょうか。
富山県女性の就業状況
ちなみに富山の女性の就業状況を調べてみたところ下記の通りになります。
※参考:男女共参画局サイトより
共働きは全国で比較すると、以前から常に上位です。
そして就業率は全国で3位と上位にもかかわらず、管理職率は44位とかなり下位となっています。
富山だけでなく、福井、石川も含め、北陸3県は働く女性が多い一方、女性管理職の比率がかなり低い点で共通していますね。それには「女性自身が昇進を望まないことが多い」ということが大きな要因と考えられます。
だからと言って、管理職になることが女性の幸せとは必ずしもイコールではありません。
男性にとっても女性とってもその人のありたい姿であることが、その人が幸せであるため、管理職には、その人の思い、資質など様々な条件が重なり、なるべき人がなればいいだけのことだと思うのです。
関連記事⇒管理職になりたくない女性は多い
まとめ
少しずつ女性の就業状況は変化し、子育てしながら働く上では、確かに改善はされてはいます。ただ、このような中でまだまだ女性が理想的な働き方をできる環境は少ないのではないでしょうか。
富山で働く満足度が高いのはやはり公務員
女性にとって富山に魅力的な労働市場は多いとは言えません。仕事を通してやりがいの感じ方は人によって違うため、一概には言えませんが、男女対等で、長く働いて安定した収入を得たい女性にとっては、公務員は社会的な信用性もあり、おすすめの職業なのではないでしょうか。
多様で魅力的な労働環境が富山に根付くことが大切
若いうちは都会で働きたいけれど、結婚し、子育てをするとなると地元の地方に戻ってこようと思う人も多いようです。その時にいろんな働く選択肢があるといいのだと思います。
富山県の大きな魅力はなんと言っても恵まれた子育て環境と生活環境ですよね。
子供が自然に触れ合う場所が多い上、待機児童はもちろんゼロ、教育レベルにおいても全国トップクラスです。犯罪や火災も少なく、地震の発生率が低い地域です。
さらには、都心部と比較とすると、住宅地、物価などが低いことから、生活にもゆとりが生まれます。
近年は多様な働き方を選択できるようになりました。自分らしく働くことができるためにも、限られた職種だけでなく、多様なライフデザインを組み立てられる労働環境が富山に根づくことが今後かなり重要だと考えられます。
富山県の掲げる「ウェルビーング」の実現に、男女問わず、理想の働き方にマッチングすることが、必要なのではないでしょうか。
いずれにしても、変化するライフステージの中で、自分自身にとってどのような働き方が幸せかということ、まずはそれを自分自身で知ることが大切だと思います。
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